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カミナリグモ kaminarigumo

2022.07.07

kainatsu カミナリグモ

#05 TOY BOX STORY

物事を見つめる角度
気の遣い方
感情の拗らせ方
想像以上の頑固さ
孤独との付き合い方
啓示くんの詞曲を聴いたり言葉を交わすたび
自分と近い人間だなと感じます。
「分かられてたまるか」と心の奥底では思ってるとこも
多分一緒だから言いませんけど。笑

私まるごと、大好きなカミナリグモの音楽でくるんで
抱きしめてもらえたようなコラボレーション。幸せでした。
これからも面倒くさい人間のまんま生きてやりましょう。笑

TOY BOX STORY feat.kainatsu / カミナリグモ

啓「すごいグッと来るコメントですね」

ゴ「なっちゃんっぽいよねー」

啓「今となればなっちゃんっぽいなって思うけど、レコーディング前はまたちょっと違ったイメージだったんだよなぁ。結構出会ってからは長いんだけど」

ゴ「そうだね。最初の『ツキヒノォト』とかのインディーズのレーベルが同じ『力塾』っていうレーベルだったもんね」

啓「でもなっちゃんは僕たちよりも一年くらい先にデビューしてて、僕らが力塾から出してる時はもうエイベックスからメジャーデビューするみたいな時期で、なっちゃんを担当していたスタッフの人がみんなそのままカミナリグモチームに入ってくれて、1枚目の『春のうた』を出したんだよね」

ゴ「だから今回のメンバーでは秋野(温【鶴】)くんの次くらいに古い付き合いかもね」

啓「なっちゃんも今年デビュー15周年だから、ちょうどゴマちゃんとやり始めた頃になっちゃんはデビューして、その一年後にカミナリグモがデビューしたみたいな時間軸ですね」

ゴ「そうなるね。ちょっとこう常に先をいってるみたいなイメージだったな」

啓「なっちゃんが担当してた、K-mix(FM静岡)の8×8(エイトバイエイト)っていうアーティスト番組の枠があって、当時K-mixは静岡ならではの歌もののアーティストを推していこうみたいな方針があったんだよね。それでカミナリグモもその枠で番組を持たせてもらえることになって」

ゴ「『晴れときどき雷雲』、なつかしいねー。その後8×8がなくなって、深夜に『BRAIN MAGIC RADIO SHOW』が始まったんだよね」

啓「ゴマちゃんの地元っていうのは大きいけど、本当にK-mixには長らくお世話になってましたよね」

ゴ「毎回カバーしたり、サントラ作ったり、大変だったけど、勉強になったし良い経験をさせてもらってたなぁ。俺はやっぱり地元でK-mixにメッセージも送ったことあったし(笑)、曲が流れたり、番組やってるのは純粋にうれしかったしね」

啓「ゴマちゃんはなっちゃんとツアー回ったりもしてたよね?」

ゴ「そうそう、当時カミナリグモは俺がシンセベースを弾いてドラムとトリオ編成だったじゃん?」

啓「そうでしたね。一人二役で」

ゴ「その編成をなっちゃんがカミナリグモのライブを見て気に入ってくれて、一緒に三ヶ所くらい回ったんだよね」

啓「あー、なつかしいですね」

ゴ「その時の話でおもしろかったのが、なっちゃんは人からよく相談事をされるらしく」

啓「たしかに自分の世界を持ってるし相談したくなるタイプかも」

ゴ「それでおばけも自分に相談しにくるって話になって」

啓「え、なっちゃん、霊感強いの?」

ゴ「らしいんだよね。その話がすごく印象に残ってる」

啓「まあ確かに人を集める人間力というか、みんな会ったら好きになっちゃような、yoko(noodles)さんもそういうところあるじゃない?また方向性は違うけど、なんか分かる気がする。おばけは別として(笑)」

ゴ「あとなっちゃんとK-mixのパーソナリティの廣木弓子さんとコラボしてリリースした『真夏の夜の夢』っていう曲のアレンジもやらせてもらったんだよね」

啓「あ、あったねー。そうか、ゴマちゃんがアレンジしてたのか」

ゴ「そう、だから当時は色々K-mixとかなっちゃんと縁があって」

啓「なっちゃんとは静岡で何度か一緒にやらせてもらったり、K-mixのイベントとかね。一緒にセッションしたり、リハも事前に東京でスタジオに入ってやったのよく覚えてるな。確認用に録音してたリハ音源を聴いて、なっちゃん歌うま!って思った記憶がある」

ゴ「『hello』っていうなっちゃんの曲だったね。」

啓「他にも『下北沢南口』とか、最近だと『Boyfriended』とか、秀逸な別れの曲が多くて、歌詞の描写がまずソングライター目線で見て、すごくよく出来てるなというか、素晴らしくて。特にこの『hello』の『くっついちゃうほどだった2人の距離は 今宇宙を隔てるほどに 遠い』っていうフレーズの、胸を引き裂かれるような残酷さ、絶望感の表現と、またそれをねー、ほんとにエモーショナルに凛とした声で歌うから、絶望的に悲しいんだけど、別れの覚悟というか、受け入れていくしかないっていう、自分の曲もそういう歌詞多いんだけど、それが絶妙に表現されててて、初めて聴いた時は衝撃的だったね」

ゴ「確かになっちゃんの声はエモーショナルで、ちょっと毒っ気もあるんだよなぁ」

啓「そうなんですよ。分かってはいたんだけど、ほら、なっちゃんってラジオのパーソナリティもやってたり、タレント性もあって、スター性もあるし、ふるまいも上手いし、なんかこう器用な人っていうイメージがずっとあったんだよね。それで今回カミナリグモの別れの曲『TOY BOX STORY』を是非歌ってもらえたらと思って、でも最初、オケはシティポップ路線というかもっと綺麗目な方向で作っていて」

ゴ「なっちゃんのトラックが、歌ってもらった後に一番試行錯誤して変わっていったよね」

啓「基本的にはバンドサウンドじゃなくて、シンガーソングライターだからなっちゃん自身のオリジナル曲も綺麗目なサウンドではあるので、最初はもっとハイファイな方向を目指してたんだけど、レコーディング終わってミックスしていく中で、どうもしっくりこなくて」

ゴ「そうなんだよね。だからどんどん楽器を歪ませていったり、啓示君がエレキギターを追加で入れたりしていって」

啓「歌う曲にもよるんだろうけど、こういうエモーショナルな曲はロックよりなオケだと、なっちゃんの声のスピーカーに張り付く感じというか、すごく相性が良いんだなぁっていう発見でしたね」

ゴ「またちょっと違う話なんだけど、CMナレーションの仕事をなっちゃんと一緒にしたことがあって、その時もクライアントから『ただ綺麗なだけじゃなくて、人間的な芯の強さが声にあって良かった』っていう感想があったりして」

啓「すごく分かる。そういう滲み出るロック感みたいなのが、声にも人にもあるよね。特に今回こういうエモーショナルな曲を歌ってもらったから、なおさらで、今回のレコーディングを通して、なっちゃんのことを改めて知ることが出来てうれしかったし、コメントにもあるように『こっち側の人だったんだぁ』ってほっとしたというか、こうやって15年近くたって、距離が近づいた感じがして、今回一緒に出来て本当に良かったね」

ゴ「試行錯誤したけど、なっちゃんの声の良さもカミナリグモのカラーもどちらも引き立ったトラックになったと思う」

啓「『ツキヒノォト』とか『夕立のにおい』のEPの辺りに近しかったイメージだけど、それからカミナリグモはバンドシーンの方で活動がメインになっていったから、ちょっと疎遠になってたんだよね。当時も静岡で共演だと打ち上げで飲んだりっていう感じでもないから、ちゃんと飲んだりしたこともなかったからね」

ゴ「そうだね。8月の浜松ライブもみんな日帰りで飲めないだろうし、事前に岩崎(慧【セカイイチ】)くんにも声かけて飲みたいね」

啓「前打ち上げですね(笑)。是非やりましょう」

- TOUR -

- RELEASE -

- 15th Anniversary Special Album-
「Another Treasure」

- 6th Album-
「Another Trip」