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初めて無観客配信ライブをやってみて

2020.08.01

次回以降のツアーのことで頭がいっぱいで、、いつの間にか一週間も経ってしまった。

自粛期間があって、一旦は感染者数もおさまりかけて、何となくできるんじゃないかなと希望を持ってからの、感染者激増で規定のキャパの半分の有観客+配信、さらには直前で完全無観客配信に切り替わるバタバタで心の持って行きどころが大変だったけど、そういうことを吟味したり、考えている余裕もなかったというか。

結果、いろんな意味で良い方向に収まって、ある意味、考えて心配する隙もないくらい、やるしかないっていう今回の展開が自分的にはちょうど良かったのかもしれない。

よりによってツアー初日。初めての曲がたくさんというのもハードルが高いし、何と言っても色々初めてで、配信ライブをする演者としてどこを気をつけようとか、こういう準備や対策をしようとか、そういうところに頭が回らず、あっという間に設営、リハが終わってもう本番。

いつもなら「お客さん、まだ入りきってないんで5分おしでー」とか、「そろそろいきましょう」とかやりとりがあって、SE、入場して拍手があって、みたいなそれが全然違って。入場の時が一番違和感あったかもなぁ。

「あれっ」みたいな。

それで演奏が終わって拍手がない間も最初、「うっ」てなりながら、自分たちで間合いを測って次の曲へ。
最初のMCでは動揺隠せず、落ち着こうみたいな感じだったような気がする。

ZAIKOの配信システム自体がカミナリグモは初めてで、お客さんも初めての人が大半で、そもそも登録してチケットを買ってみたいな敷居の高さもあったり、コメント認証も複雑だったり、そこでのバタバタもあって。

いつもだとまっすぐに聴いてくれるお客さんの顔が時折目に入って、こっちも感動したり、集中力が上がったりするところ、ちらっと撮影機材と数人のスタッフの方々が作業しているガランとした客席が目に入ると雑念が生まれたり、、そういうところもまだコントロールしきれなかったりとか。

まあでも客席側はいつもと違っても、ステージ側にはいつも通り、僕とゴマちゃんがいて。
その変わらない部分を頼りに自分たちのスタイルを取り戻しながら、だんだんと曲を追うごとに慣れていったような気がする。

もちろんいつもと違うということはやりにくいことなんだけど、経験があれば解消される問題ばかりだなとは感じていて、また別ものとして、ラジオで生演奏する時とかと近いというか、僕たちが慣れていけばいいだけのことだと思ったのが、デメリットの部分としては率直な感想。

そして備忘録としても良かった点をまとめます。

良かった点その①
ライブハウスの本来のキャパ以上のたくさんの人が見てくれたこと。
やっぱり登録の煩わしさもあったのか、直前で急激に伸びたみたいで、想定以上でびっくりしました。まあ初めてで物珍らしさもあったと思うんだけど、逆に煩わしさもあったと思うので、そういう意味でも期待が持てて、今後の一つの希望になりました。これで実際、来る予定だった人を大幅に下回っていたりしたら、やっぱり配信だと見てくれないのかぁとかなってたと思う。

良かった点その②
見てくれた人の地域が分かること。
今後のツアーの参考にしたくて、特典送付以外のチケットの人にも都道府県を書く欄を作って欲しいと要望して、結果はやっぱり元々来ようと思っていた関東近郊の人が多くて、あとはツアーでまわる地域がどうしてもお客さんが多いので、意外性がない各地の数字ではあったのだけど、ここでツアーに入ってない地域の人が多かったりしたら、次のスケジュールに入れようとか、そういう基準にもなってくるので、見てくれた人の地域が分かるのはとても興味深く、また本来のツアーだったら見に来られない地域の人、状況の人に見てもらえるチャンスがある、というのは素晴らしいことだなと思って、平時の時でも配信は入れたいなぁと思ったりもしました。

良かった点その③
オンライン物販。
とても盛況で、サインも入れさせてもらったり、こういう形でも繋がっていることをお互い認識できるような仕組みが作れて、成果があったのはとても勇気付けられました。もちろん物販の制作費や売り上げも込みで予算を立てているので、とりあえず原価はペイできそうだなとか、ここに関してはこういう状況でかなり危うい覚悟もあったのでほっとしています。

良かった点その④
アーカイブが残ること。
これは諸刃の刃でもあるんだけど、、実際に歌詞間違いも多々あったし、そこは反省するとして、いずれにしても毎回録画を見て次に生かすみたいなことを特にツアーは集中してやるので、こういうちゃんとした形で自分たちも振り返れるのはとても意味があることだと思いました。やっぱりスマホの定点録りとは情報量が違うというか。配信にも楽曲にも不慣れな感はあったけど、全体のライブとしては自分たちの音楽を伝えきれたような内容だったと思うし、やり直したところとか、意外と自分でもおもしろくて、何度も見てしまったりとか(すみません。。)。期間内にお客さんも後で見返して楽しんでもらえるのは良いことだなと。アーカイブがあることで、逆に色々割り切れるようなところもあって、いつもより引きずらないような感覚もありました。

良かった点その⑤
音響がやりやすかった。
本来であれば、お客さんが入ると客席側の音が吸われて、リハとがらっとステージ内の音が変わったりすることがよくあって、当たり前だけど、それが全くなくてやりやすかった。本番になって急に歌が聞きづらいとか他の楽器の倍音で音程が分からなくなるとかたまにあるんだけど、そういうストレスはゼロで演奏面ではとても良い環境だった。

番外編:
これは良かったことというか、感謝とちょっと申し訳ないよう気持ちもあって、、投げ銭?っていうんですか、チケットを正規価格よりも高く買ってくれたり、演奏中にそういうボタン?を押してくれたりとか。応援する意味でそうしてくれたと思うのですが、思ってた以上にそういう人が多かったみたいで。いやぁ本当にありがたいと泣きそうになる反面、なんかその分、返していきたい気持ちもあったり、もちろんライブで返すのが前提なんですけど、感謝を表せるような何かできないかなぁと。もちろん正規価格で見てくれた人は、お金を払って僕たちのライブを見てくれたという、それだけで尊いことなのだけど、なんか初めてこういう経験をして、ありがたい、うれしい分だけ、何かその分返したい、ような気持ちが芽生えてくすぐったい感じです。

ということで、とても手応えと可能性を感じた初めての無観客配信ライブでした。

踏まえてもっとこうしよう、ああしようみたいなことは既に話し合ってますが、今後に向けて要望などがあれば是非。

今月のライブは各方面、諸々調整中で改めてアナウンスします。

幸い、僕もゴマちゃんも工夫したり、作り込むのが好きなタイプなので、意外とこの状況を楽しんでやっていて、
一緒に僕たちの悪だくみに参加してもらえるような、僕らと各会場とみんなで作っていけるようなツアーにしたいのです。