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#02 ムカシバナシ

2022.01.15

あっという間に思い出になるから
ぎゅとつかんで今のその気持ちを

きっと僕らは生まれたその日から
ずっと残りのページをめくってる

だから今うれしいことや 悲しいことをまっすぐ見つめて
僕やキミが表紙の本の 結末は知らないけどめくるよ
明日なのか 100年後か
今日が最後の日でも

いつかどこかで会えたらまた
昔話をしようよ

この曲が出来てすぐ歌いたくて、富士宮市民会館のライブで弾き語りで歌ったのをよく覚えている。

なんだかここ数年で、自分自身や自分の周りにいてくれている人たちの残り時間のことをよく考えるようになった。

もちろん分かってはいたのだけど、より鮮明に感じるようになったというか。

呼吸していることとか、ご飯が食べれていることとか、歩けていることとか、歌えること、曲を作ったり、ギターを弾いたり、生きていて健康じゃないとできないことなんだよな、と生き返った人の気持ちを想像してみることがよくあるのだけど、そうすると、感度が鋭くなって、ただ息をするとか当たり前のことでもひしひしと特別に感じたりするから不思議で。

だから常にではないけど、思いついたらできる限り、一瞬一瞬を感じるように生きるようにしている。

2022年は二人で活動を始めて15周年、どうしようかという話をしていく中で、せっかく健康で音楽ができる時間と身体を持っているのだから、やれるだけのことをやろうと話し合って、アニバーサリーライブを決めた。

現在や未来がそのうちまた昔のことになって、振り返って誰かと昔話ができるということ。

それが本当に貴重で喜ばしいことだと実感している。

今となっては昔話をすることができない人もいる訳で、だから久々に旧知の人たちと会って、ご飯を食べたり話したりっていうことを最近、ちょっと積極的にしたいと考えているところで。

いつかこの15周年イヤーの出来事を振り返って、これを読んでくれている人たちとまた昔話がしたい。

あの時はどうだった、こうだったって、昔話ができる人たちがいるっていうのは素晴らしいことだ。

(Gt.Vo.上野啓示)