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カミナリグモ kaminarigumo

レコーディング打ち上げZoom座談会

カミナリグモ

Bass.タケシタツヨシ(メレンゲ)
/ Dr.大岡源一郎(LOST IN TIME)

- 後編 -

2020.08.05

【上野啓示 / ghoma / タケシタツヨシ
/ 大岡源一郎 *interviewer:上野三樹】

三:「【夜明けのスケルトン】に関しては、特に後半はエモーショナルな展開ですが、男気あふれるリズム隊をお二人に求めたところはあったんですか?」

啓:「男気、、て感じでもないんですけど」
源:「へー」(意外そうに)
ツ:「『へー』とか言って(笑)」
啓:「普通にいくとサビとかすごくエモーショナルなんですけど、大枠の方向性的には『うたもの』にしたかったんですね」
ツ:「うんうん」
啓:「歌を包むような音像がずっと作った時からあって、それでこの二人なら、メインのバンドの音楽性も含めて、そういう風になるだろうなっていうイメージがすごくあったので。たしかツヨシさん、最初にスタジオに入った時に『この曲はすごくやさしい方向だよね』みたいなことを言われてて、『ああその方向でいってもらえたらいいなぁ』と思って」
ツ:「たしかに言った。多分サビとか、結構激しめな音像ではあるんだよね、けどちゃんと歌詞の世界観とか分かると、やさしく激しくというか、包み込むような激しさというか、、だからそういう気持ちでやれました。ねえ、源ちゃん?」
源:「そうだね、いえーい(苦笑)」
ゴ:「そう、でも結構、【夜明けのスケルトン】、最初二人でプリプロした時もサビがめちゃくちゃ激しくなってしまって、そういうバージョンもあったり、逆にもっと音圧を薄くして綺麗にしたりとか、最終的にはその間を狙ったんですよね。ドラムもドンドンドンドンじゃなくて、ドンドン、ドンドン、ドンドンってちょっと隙間があったり」
源:「うんうん、そうだね」
ゴ:「さらにチェロも入ったり、薄くパイプオルガンも入ってたりしてて、綺麗なことを上でやってて。ドラムもあまり全力なガッツがある音色にしたくないなぁと思ってたら、一発目で源さんがちょっと余裕があるクリアな音色で作ってくれてたんで。多分ドラマーとしてのそもそも方向性かもしれないけど。元々余裕があるプレイだし、『おらぁ、俺についてこい』って感じじゃないじゃん?」

源:「はははは、そうだね」
ゴ:「良い意味でロックンロールの人じゃないから」
源:「憧れちゃってる人みたいな(笑)」
ゴ:「もしロックンロールの人が叩いたら全然曲が違う印象になってたかも」
源:「まあ叩くバンドにもよるかもね」
ゴ:「ちゃんと歌との隙間を持った叩き方をするドラマーだから、それで曲が成立したなぁって」
源:「乾杯!」(グラスを飲み干す)
三:「コメントそれだけ?(笑)」

– 一同笑い –

源:「インタビュー苦手なんですよ、マジで(笑)」
ツ:「記事として成り立たないよ、それ(笑)」
ゴ:「一言でまとめると、『源さんも最高だった』っていう話です」
源:「はははは」

啓:「ちょっと疑問に思ってることがあるんですけど、いいですか?」
ゴ:「うん、何?」
啓:「この中で僕が一番年下なんですけど、僕の一個上が源さん、その一個上がゴマちゃん、その一個上がツヨシさんで」
ツ:「そうそう」
啓:「ゴマちゃんは何で『源さん』って呼んでるんですか?」
ゴ:「んーなんでだろう。。でも『源さん』は『源さん』だなぁ」
啓:「『源ちゃん』じゃないんだなぁってずっと思ってて」
源:「あれ、ゴマくん一個上?なんでだろうね、最初からそうだよね」
ゴ:「敬意も含めての『源さん』かなぁ」
ツ:「CD出すのも早かったからとかかもね」
源:「『大工の〜』じゃないの?」
啓:「あ、『大工の源さん』(笑)。そういう古風なイメージで?」
ツ:「オジさん感だな(笑)」

ゴ:「なんだろう、俺、『さん』と『ちゃん』は大して変わらないイメージがあって」
三:「大した意味はないっていう(笑)」
啓:「年を間違えてたとか、そういう訳ではないんですね」
ゴ:「全然(笑)」

三:「そもそもカミナリグモとメレンゲとロストの交流の歴史ってどういうきっかけで始まったんですか?」

啓:「そもそもは、デビューがロストとメレンゲの方が全然早いので、年もちょっと上だし、それこそまだ全く自分たちがCDとか出してない頃に、タワレコとかでばーんって展開されてたような、僕にとってはイメージで。それからちゃんとCDを世に出せるようになったのが、2008年とかで、当時はもっとアコースティックよりな形態で活動してたんですよね」
ゴ:「そうだったよね」
啓:「それで2010年くらいから固定のバンド編成で活動するようになって、色んなバンドと対バンしたりしていく中で、メレンゲは(D・W)ニコルズの企画で名古屋で対バンしたのが最初で」
ツ:「あー、分かった、名古屋のUPSETだ!もっくん(森信行ドラマー)がいた。その時ベースは誰だったっけ?」
啓:「(鈴木)淳さんですね」
ツ:「淳さんだったっけ、、?いや違う違う」
啓:「あ、そうだ、違った!その時、淳さんはスケジュールNGで別の人にお願いしたんだった」
ゴ:「あー、そうだった、すごいレアな時」
ツ:「淳さんは(存在は)知ってるけど、俺は知り合いじゃないから。あれっと思って」
啓:「当時はほとんど淳さんだったので、貴重なライブでしたね」

啓:「ロストは、、CLUB Que?」
ゴ:「一回ツーマンをやったよね」
啓:「でもなんかサーキットイベントとか色んなところでその前に会ってるイメージがあって、、CLUB Queのカウントダウンとか?」
源:「そうだね。よくライブにも来てくれるし」
啓:「ですね。でもなんか最初にきっかけがあって見に行ったりしてるとは思うんですけど、多分CLUB Que絡みかなぁ」
ゴ:「んー、初めてが思い出せない。。」
ツ:「メレンゲがQueでやった時にも見に来てくれてて、その時に話した記憶があるなぁ」
啓:「そうですね。個人的にメレンゲもロストも好きなのでよくお邪魔してて」
ゴ:「ツヨシさんはそれこそ、上野(三樹)さんの結婚パーティの時に」
啓:「あーそうだ、そうだ。音人【『音楽と人』※音楽専門誌】の金光(編集長)さんと上野さんの」
ツ:「うんうん、そうねー」
啓:「たくさんミュージシャンが集まって、すごい豪華なパーティでしたよね」
三:「そこでまた交流を深めていただいて嬉しいです(笑)」
啓:「僕、すごく覚えてるのが、メレンゲのライブの後に楽屋で挨拶したら、当時ドラムの山崎さんとツヨシさんが二人で『何かあったら是非呼んでよー』って言ってくれたのがすごく印象的で、うれしかったんですよね」
ツ:「おー、結構前だよね」
啓:「その時は固定のメンバーでやってたので、なかなかそういう機会はないなと思ってたんですけど、そう言ってもらえたことがうれしくて」
ゴ:「俺も覚えてるのが野音(日比谷公会堂)で」
啓:「あーそうそう、二人で見に行った」
ゴ:「その時にもツヨシさんと話して、『カミナリグモ聴いたよー』って」
ツ:「それも覚えてますよ。ちゃんと聴きましたよ。カミナリグモって良いベーシストがついてるイメージがすごいあって、元々、淳さんからスタートぐらいの感じだったでしょ?」
ゴ:「固定のバンド編成になってからはそうですね」
ツ:「そうだよね。なんかそういうイメージがあって、『そこから俺?』みたいなのはあったかな」
啓:「でも実際、淳さんがいてくれて、その後しばらくは特に決まった人はいなかったんですよね。そもそもリズム隊を入れずにやるライブが多くなったので。それで今回改めて久々のアルバムで、ちゃんとリズム隊を生で、必要な曲には入れてレコーディングしたいっていうプランがあった時に、ツヨシさんと源さんは二人で話してて、すぐ候補に上がって」
ゴ:「あれ、そういえば、源さんはどこで一緒にやったんだっけ?」
ツ:「ライブやったの?カミナリグモで?」
源:「そうQueで。『ちょっとやらしてー』って上野くんに電話して」

啓:「そんなでしたっけ(笑)?」
ツ:「そんな気軽な感じで(笑)?」
源:「『うれしいですー』って言ってくれて。『考えます』みたいな」
啓:「その時も固定のリズム隊で活動してたんですけど、、ありがたいことに同世代のバンドのリズム隊の方々がやりたいって言ってくれるんですよね、(リズム隊がメンバーとして)いないから。で、たまたまタイミング的にお願いすることができて」
ゴ:「でもあの時のQue、めっちゃ楽しかったんだよね」
源:「テンポ走る、走る、ゴマちゃんが(笑)」
啓:「確かにすごい源さんタイトで、やってる時は遅いかなと思ったけど、録音聴いたらちょうど良かったりして」
源:「やってる時はゴマちゃんが楽しそうだなっていうのはすごい覚えてる(笑)」
ゴ:「すごい、楽しかった!あれは」
源:「目が合って、鍵盤ビャーン!みたいな(笑)」

啓:「ロストで覚えてるのは、、今もうないけど池袋のホールでやったじゃないですか?」
源:「豊島公会堂だね」
啓:「あの時に見に行って、楽屋で当時、iTunesかな、『カミナリグモ全部ダウンロードして聴いて、どれでも叩けるようにしてるから』みたいなことを言ってくれて」
源:「アピールしてんなぁ(笑)」
啓:「それですごく愛を感じて、うれしくて、何かあった時はまず源さんに頼みたいっていう、その流れでQueだったんですよね」
源:「あと中野サンプラザ一緒に行ったよね?」
啓:「それは三井(律郎LOST IN TIMEサポートギタリスト)くんの出るライブを見に」
源:「その時、結構しゃべったよね」
啓:「そうですね。ロストのメンバー、割と何かしらで会ってるので、時間軸がよく分かんなくなってきますね。どの時期に会って、その時それぞれ、どういう状態だったのかって」
源:「そうだねー」
三:「そのQueのライブから今回のコラボまでどのくらい空いてるんですか?」
ゴ:「5、6年?もっと?」
源:「色々あったもっと前の話だから」
ゴ:「そう、だから今回、レコーディングで念願叶って本当に良かったなぁって。今回参加してくれたみんな、それぞれでアイディアも出してくれて」
源:「好きだからやってるよね、みんな」
ゴ:「すごいそれがうれしいなぁと思って」
ツ:「そう、曲が送られて来た時、もし好きな感じの曲じゃなかったらどうしようとか、、すごい緊張感を持って聴いたけど、曲が良くて良かったぁって思ったの。ちゃんと向き合えるって」
源:「カミナリグモの曲はみんな良いから!」
ツ:「まぁ、そうなんだよねー。でも分かんないじゃん?人のバンドというかさぁ」
ゴ:「まぁそうですよね」
ツ:「良かった。ほんと曲が良くて。歌詞も良くて。こういう歌詞だったらこうしようとか気持ちの作り方もできて、良かったなぁと思った」

啓:「歌詞までちゃんと見てもらえてるのはうれしいですね」
ゴ:「日本酒とビールセット、もう一回送りましょうか(笑)?」
ツ:「もうあと一本になっちゃったよ(笑)」
源:「早いよ(笑)」
ツ:「源ちゃん、ツアーやるんでしょ?」
啓:「そうそう」
源:「なんでツヨシにいやんじゃないんだよっていう」
啓・ゴ(苦笑)
ツ:「いいですよ、俺にそんな力量はないよ(笑)。だから見に行くよ」
啓・ゴ「是非是非(笑)」
源:「大阪からだっけ?」
啓:「そうです、大阪と東京ですね。そういえば(一緒にツアーをまわるベースの)菅野(信昭【FoZZtone】)くんも仲は良いんでしたっけ?」
源:「キャノン砲(愛称)は仲良いよ」
啓:「良かったです。そこ仲良さそうなイメージもあったので」
源:「大丈夫、大丈夫。でも打ち上げがおもしろいかは分からないよ?(笑)」

– 一同笑い –

源:「でもツヨシにいやん来てくれるでしょ?」
ツ:「行きます、行きます、打ち上げをしに(笑)」
ゴ:「ありがとうございます(笑)」
啓:「でもどうなんですかね?ライブとかできるようになるんですかね?」
源:「分かんないよね。それも確かにね」
ツ:「でも組まないことには始まんないからね」
源:「できることを願いたいね」
啓:「そうですね」
ツ:「なんか政府が出したガイドラインでフェイスシールドしないといけないらしいよ。コーラスする人も」
啓:「源さん歌上手いんでコーラス是非!」
源:「嫌だ、嫌だ!フェイスシールド絶対嫌だ(笑)」

三:「またこの組み合わせでもライブ観たいです」
啓:「ライブできるといいですよねぇ」
源:「会いたいですね、みんなに」
ツ:「会いたいですね、飲みましょうよ」
ゴ:「飲みましょう、ほんとに!」

カミナリグモ 5th Album
「SCRAPPY JEWELRY」